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 予想外の動きを見せた
 「はじめてのクイズ」

——今は主にどのような活動をされているのでしょうか?

古川 事務所に所属せず、フリーのクイズ作家としてテレビ局、ゲーム会社などと仕事をしています。クイズに関して制作と演者の両方をやらせてもらってる感じですね。

 

——古川さん主催の「はじめてのクイズ」が今年の4月で1周年を迎えました。この1年を振り返るとどんなことが思い浮かびますか?

古川 1年間やって、ここまでの多くの人がリピーターになってくれるとも、「はじめてのクイズ」に愛着を持ってくれるとも思ってもみなかったということです。もちろんそういう場を目指してはいたんですけれど、それが今、目の前に現実のものとしてあることに驚いています。企画を持ち込んだとき、ちょうど、ヒミツキチラボ実験室長の吉村さおりさんがクイズイベントをやりたいと考えていたのも運が良かったですね。

 

——それでも、最初は不安だったのではないですか?

古川 最初は48人という定員が埋まるかどうか不安でした。でも、満席になったのを見て、まだまだクイズの需要があることも分かって不安が解消されました。クイズが良く分からなかった人が回数を重ねるごとにすごく楽しそうな顔になっていく。その過程を見ることができてすごく嬉しいですね。「はじめてのクイズ」を通して、クイズを楽しむ場を作ることができて本当に良かったと思います。

 

——そんな「はじめてのクイズ」ですが、1回目の開催までには紆余曲折があったそうですね。

古川 初めて、吉村さんと企画の話をしたときに、ヒミツキチラボが抱えていたアイドルグループのパズルガールズという謎解きゲームに演者として出ているアイドルグループがいることを知って、彼女たちがファンとチームを組んで対抗戦をするクイズイベントをやろうと思ったんですね。それが実現すれば、クイズを知らなくてもパズルガールズのことが好きな人は来てくれるだろうし、クイズの新しい扉が開けるんじゃないかと期待して。その企画書と「はじめてのクイズ」の企画書の2つを持っていったんですよ。そしたら、吉村さんが「クイズのイベントをしっかり育てたいから、スタンダードなクイズをしたほうがいいと思います。クイズの楽しさを知った後で、こういうバリエーションのイベントも展開しましょう」とアドバイスしてくれたんですね。後に「パズルガールズ」とのイベントも開催したのですが、吉村さんの言うとおりで、目を引くような内容でいきなりお客さんを呼ぶより、クイズそのものの魅力を伝えるということに成功したから、今の「はじめてのクイズ」があるのかなと思ってます。

 

——「早押し機が押せる」という点も初心者には非常に魅力的に映りますね。

古川 テレビで早押し機を押しているシーンを見ている方は多いと思うのですが、実際に触ったことがある人はごくごく少数ですよね。やり方がわかってるのに経験できないものの代表のひとつだと思うんですけど、早押し機を押すことそのものが、イベントになっているのかもしれません。参加される方々にはテレビに出演しているかのように非日常を感じてほしいと思っています。

 

——出題されるクイズにも、「はじめてのクイズ」ならではの工夫があるようですが?

古川 「はじめてのクイズ」で出題するクイズは「へぇ~」と思わせることに重点を置いています。例えば、オープン大会などで出題される次のような問題文

「フランス人のフレデリック・バルトルディによってデザインされた、有名な像といえば何?」

では何より知識が問われ、初心者にはハードルが高いんです。クイズをする人は設計者の名前まで覚えているのですが、クイズをしない人たちはそこまでしません。一方で、同じ答えの問題でも「はじめてのクイズ」では

「その顔は製作者の母親の顔がモデルとなっている……」
                                      (答えは「自由の女神」)

このように問題文に「へぇ~」と思わせる雑学を加えることを心がけています。初心者だからこそ、クイズに肯定的な気持ちになってほしいし、純粋にイベントを楽しんでもらいたいんです。

 

——聞いているだけでもためになるような問題ということでしょうか?

古川 そうです。言ってしまえば「トリビアの泉」を見たときのような気分になる問題文が理想です。雑学があると、聞いているだけでも楽しめるんですよ。間違っても、答えが出なくても、飽きないように興味をもってもらうことを目指しています。